長野県塩尻市にある「平出(ひらいで)遺跡」は、日本を代表する縄文時代から平安時代にかけての複合集落遺跡です。
この遺跡の最大の特徴は、「約5,000年もの間、途絶えることなく人々が暮らし続けた」という点にあります。縄文の竪穴住居、古墳時代の豪族の居館、そして平安時代の集落跡までが同じ場所から見つかっています。
これほど長い間、人々がこの地を離れずにコミュニティを維持できた理由。それこそが、遺跡の近くで今も澄んだ水をたたえる湧水「平出の泉」の存在でした。
平出の泉
平出の泉は平出遺跡、そして現在の平出集落の南側、丘の麓にあります。
2026年4月上旬に訪ねた際は、ちょうど桜が満開でした!

水面に目を向けると、水の透明度と、吸い込まれるような特徴的なエメラルドグリーンに目を奪われます。この湧水は付近に分布する石灰岩層のすき間を流れてここに湧き出したものです。この独特な色合いは水質が関係しているのでしょうか。

現在の「平出の泉」はもともと湧水があった場所の谷の出口に堰堤を築いて、溜め池として整備されています。江戸時代に農業用水にするために整備されたとのこと。水深が6mほどあるにもかかわらず、底の方まで透けて見える透明度には驚かされます。

池のほとりには祠が建っています。湧水地点はこの祠の下のあたりとのこと。水神を祀っているのでしょうか?

水温は年間を通じて約12℃と一定で、湧水量は毎秒4~5リットル、1日あたり約350〜430トン湧き出していることになります。
一定温度で絶え間なく湧き出すこの湧水は、古代の人々にとって「命の源」であったのでしょう。
平出の集落内を流れる水路
平出の泉は今もなお、集落内の生活用水や周囲の田畑を潤す現役の用水として、この地の暮らしを支え続けています。

集落内を流れる水路はところどころせき止められ、現在も生活用水として利用されていることがうかがえます。

平出の集落や特徴的な「本棟造り」の古い民家が残ります。板塀に沿って流れる水路は美しい。



この地に根を下ろした旧家の方々が、連綿と歴史を紡いでおられるのかもしれませんね。湧水からの水路が流れる美しい集落です。

平出遺跡公園
平出集落の北側は、現在は歴史公園として整備され、復元された竪穴住居や高床倉庫が立ち並び、古代の人々が湧水を利用して営んだ豊かな暮らしの気配を今に伝えています。


遺跡公園内にはガイダンス棟もあり、平出遺跡について学ぶことができます。広い原っぱでは公園として親子連れなどにも人気があるようです。
平出遺跡と平出の泉、古代から現代まで、湧水と人のつながりを学べる場所です。公共交通機関では塩尻駅から徒歩で20~30分ほど。シェアサイクル利用が便利です。















































































